(一社)対馬観光物産協会ブログ

対馬の観光物産情報をお伝えします。
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対馬観光のススメ 〜厳原港(いづはらこう)〜
 こんにちは、「対馬要塞群を歩く」シリーズが一段楽したので、次は「『三角点ハンター』か『式内社探訪』をやりたいなあ」と言ったら、あっさり却下された観光担当Nです。
 そういう訳で、「対馬観光のススメ」第1弾は、対馬の海の玄関口・厳原港です。

豆酘崎
 対馬〜九州本土間に横たわる玄界灘(げんかいなだ)は古代から海の難所として恐れられ、また対馬の海岸部は断崖絶壁が多く、3世紀の魏志倭人伝に「至るところ絶島」と描かれています。
(写真は対馬南西端の豆酘(つつ)崎)

 古代の人々は、こんな(恐ろしい)外洋を航海していたわけです。
 >>博多港〜厳原港(Googleマップ)

 ちなみに、航海の守護神・住吉三神をまつる神社は全国に2000社ほどあるらしいのですが、特別に霊験あらたかな「名神大社」は、大阪(住吉の総本社。摂津国一宮)、下関(長門国一宮)、福岡(最古の住吉と言われる。筑前国一宮)、それに壱岐と対馬の5社で、関西から大陸へ渡る航路上に正しく位置しています。
 大陸航路は、神頼みをしなければ渡れない危険な海路だったのです。

厳原港
 厳原港は、対馬の東海岸(九州側)に位置する数少ない良港の条件を備えており、古名は「与良」(よら)、律令時代初頭(8世紀ころ)には対馬国の中心地「国府」(こう)が置かれました。
 江戸時代には「府中」(ふちゅう)となり、明治時代に「厳原」と改称し、1000年以上にわたって対馬の外交や貿易の中心地として栄えてきました。

野良崎灯明台
 厳原港の歴史を物語る面白いもののひとつが、明治9年に建設された純和式の野良崎(やらざき。耶良崎)灯明台(とうみょうだい)です。
 かつては厳原港に隣接する野良崎の突端にあり、その明かりは船人たちに大きな安心を与えてきましたが、戦後に解体されるはずのところを、地権者の吉田さんの意向により保管され、平成11年に厳原港に再建されました。

遠見
 現在、野良崎の突端には近代的な灯台が建っていますが、頂上部には江戸時代の遠見(異国船監視)の石段が残されています。
 これも国防の最前線である国境の島らしい遺構です。

立亀岩
 厳原港のシンボルは、立亀岩(たてがみいわ)。神やどる磐座(いわくら)だったと考えられています。

立亀岩より眺望
 あまり知られていませんが、立亀岩には登ることができます(危険なのでお勧めはしませんが)。眺めはこんな感じ。
 
白磯神社
 えー、厳原港の珍百景、白磯(しらき)神社跡です。
 戦国時代の対馬島主・宗 義純をまつる緒正しい神社だったのですが、いつしか八幡神社に合祀され、跡地には鳥居と「しいたけの島」の看板が(-_-;)
 鳥居か、看板か、どっちか外せよ・・・と思うのは私だけ?

矢来
 江戸時代には、宗家の努力により復活した朝鮮貿易の豊富な資金力によって矢来(やらい。防波堤)が整備され、厳原大橋や県道はそれらを基礎として築かれています。

清水山城
 港の正面に見える清水山(しみずやま)の尾根には、豊臣秀吉の朝鮮出兵(文禄・慶長の役)に際して清水山城が築かれました。
 城跡は、安土桃山時代の山城の貴重な遺構として、国の史跡に指定されています。

清水山の眺望
 清水山からは、厳原市街地と厳原港が一望でき、気象条件がよければ壱岐の島影まで望むことができます。

ぱしふぃっくびいなす
 港湾整備事業も進み、2011年からは豪華客船も着岸できるようになり、「ぱしふぃっくびいなす」「ふじ丸」「にっぽん丸」などが寄港しました。

フェリーちくし
 2011年12月現在、九州郵船のフェリーと高速船(どちらも旅客船)、壱岐対馬フェリーと対州海運のフェリー(どちらも貨客船=車+運転手)が、壱岐経由で博多港(はかたこう。福岡県)と厳原港を結んでいます。
(高速船は2時間15分、フェリーは4〜5時間程度)
 2012年4月からは、九州郵船の新造フェリー「きずな」が同航路に就航する予定です。
 また、韓国の大亜高速と未来高速の高速船が、釜山国際港と厳原港を105〜140分程度で結んでいます。

>>交通アクセス・海路で対馬へ
>>交通アクセス・国際航路(韓国から海路で)対馬へ


 古代から対馬は、日本本土と朝鮮半島・中国大陸をつなぐ大陸航路の要衝でした。

 対馬が存在しなければ、金属器・漢字・仏教・律令制などの大陸文化は日本に伝播せず(あるいはずっと異なる形で到来し)、日本ひいては東アジア全体の歴史そのものが大きく変貌していたはずです。

 厳原港は、普通に歩けばただのフェリーターミナルですが、1000年以上の歴史に想いを馳せながらゆっくり歩くと、また違った姿を見せてくれるのです。


おまけ
 対馬への海路の起点は福岡県の博多港ですが、同港のベイサイドミュージアムには、古代の丸木舟や古墳時代の船、遣隋使船などの模型が展示されています。
 古代の日本人がどうやって博多から対馬へ、そして朝鮮半島や大陸へ渡ったのか、歴史ロマンに浸ってみたい方にはお勧めです。

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>>波濤(はとう)を越えて
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